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特殊バイト潜入調査 FILE No.6 忍者バイトの実態に迫る!

我々はMNB(マイナビバイト)編集部から、
「世の中にある気になるバイトの実態を調査せよ」という極秘指令を受けた。

社会にある数多の職業の中で一風変わった職種の現場に潜入し、アルバイトの仕事を調べて報告すべしという特命である。むろん我々に拒否権はない。

今回の調査ターゲットは「忍者」。

忍者テーマパークでの、顔を隠した接客業。

そこで今回は、富士山の麓・山梨県忍野村のテーマパークに勤めるアルバイトスタッフを調査しにやって来た。

名前:小梅(こうめ)
生年月日:1994年12月4日(22歳)
職歴:忍者歴 約8カ月
給与:時給1000円前後
備考:手裏剣が大の苦手。ちっともうまくならず、後輩忍者に先を越されないかヒヤヒヤしている。

忍んでられない!?「歩くアトラクション」

観光客でにぎわうテーマパーク内を調査をした我々は、からくり屋敷でターゲットを発見! 忍者の実態をさらに究明すべく突撃取材を試みた!

からくり屋敷でお出迎えをしてくれる小梅さん。表情が見えないからこそ、若干オーバーリアクションで接客をしているようだ。


――MNB特命調査員です!今、忍者のアルバイトについて調査しているんですが、少しお話よろしいでしょうか!?
小梅「え、私ですか!? 小梅はまだ修業中の身ゆえ、お役にたてますかどうか……。」
――さすが忍者!謙虚なんですね。全然大丈夫です!では早速ですが、どうして忍者になったんでしょうか?
小梅「接客が好きでアルバイトをしてきたんですけど、何か変わったことがしてみたいと思って応募しました。在籍している忍者は10名くらい。大学生からミドル世代の方まで幅広いんですが、皆さんかなり個性的です(笑)。年齢を感じさせないフレンドリーなメンバーばかりで楽しいですよ。今は午前9時から午後5時まで、週5日で入っています」
――個性あふれる職場なんですね。実際にはどんなお仕事なんですか?
小梅「テーマパーク内のアトラクションでの、お客様のご案内です。いま担当しているのは、『忍者からくり屋敷』『手裏剣道場』、アスレチック広場『忍術皆伝の道』です。アトラクションの説明をしたり、手裏剣の投げ方やアスレチックの使い方をお見せしたりしています。あとは、お客様との写真撮影や、レストランでの配膳をするときもあります」

レストランでは、ウェイターに早変わり!ただし、整った背筋と落ち着いた佇まいは変わらない。どんな時でも忍者で居続けるのだ。


――思っていたよりも、だいぶ接客業寄りのお仕事で驚きました!
小梅「私も最初にここにきたとき、『ここの忍者は全然忍んでないな』って思いました(笑)。忍者って、いろんなところに潜んでるイメージですけど、私たちは正反対。どんどんお客様のところに行って、『一緒に写真撮りましょう』『何かお探しですか?』と声をかけます。アトラクションの数も多くはないですし、キャパも限られているので、ある意味私たちが重要なアトラクションの一つ。忍者のテーマパークなので、忍者のチカラでお客さまを喜ばせないといけないんです。だから、退屈していないかな、疲れてないかなと、お客様の様子には常に気を配っています。広くて迷子になりやすいテーマパークだったりもしますので」
――「歩くアトラクション」ってことですね! そして、顔を隠して接客するのも大変そう……。
小梅「顔を隠すなんて、サービス業では普通ありえないですよね(笑)。確かに大変なところもあります。表情をお見せできない分、言葉遣いとか所作には気を付けています。それと、お客様の持っている忍者の『和』のイメージを崩さないことでしょうか。例えば、チケットのことは『通行手形』と言ったり、どんなときでも姿勢を正していたり。園内ではいつでもお客様に見られてますからね。だから新米忍者は、まず歩き方や立ち方を自分で研究するように指導されます。小梅も新人のころは、家で鏡に向かって夜な夜な忍者の所作を練習していましたよ。もちろん写真用のキメポーズも(笑)。どんな姿でいればカッコいいかを、常に追究しています!」
――すごいプロ意識! でも、忍者ならではの辛いところもありますよね?
小梅「屋外の施設で、かなり天候に左右されやすいところでしょうか。雨だとけっこう濡れたりもします。雨が降っているからといって、カッパを着たり傘をさしたりしてお客様をお出迎えするわけにはいかないですからね。とくに手裏剣道場は屋根がないので、的から外れた手裏剣を拾っていると、けっこうガッツリ雨に降られます(苦笑)。
それから、じつは小梅、この手裏剣が大の苦手でして、なかなか的に刺さらないんです。試しにやってみますけど……。えい!。やあっ!…。ていっ!……。………。うーん、刺さらないですねぇ。時々、一発で刺さるお客様がいらっしゃると、地味に辛いです。まだまだ修行を積まないと!」

「本物」であり続ける理由

控えめな小梅さんだが、その瞳には、忍者という仕事へのプライドがにじんでいる。


――一人前の忍者でいるには、何が必要だと思いますか?
小梅「よくお客様は、うちの忍者たちを見て『本物の忍者だ!』と言ってくださいます。そう呼ばれたら一人前です。先ほど言ったように、言葉遣いとか所作とか、“忍者らしさ”を備えた忍者には、お客様はどんどん近づいていく。でも、忍者になりきれていないと、たちまち『スタッフさん』と呼ばれてしまいます。だから、お客様の前では、自分は絶対忍者なんだって意識を持っていないと。それが、お客様の満足につながるはずです。」
――気が抜けないですね。では、小梅さんが感じているこのお仕事のやりがいを教えてください。
小梅「普通、遊園地とかだとお客様は受け身ですよね。でもこのテーマパークでは、お客様もレンタル衣装を着たりして忍者になりきって、私たちの世界に入ってきてくれる。そうやって一緒に楽しめるというか、お客様との一体感が持てるのがやりがいです。あとはやっぱり、一緒に写真撮ってくださいって言われるのはうれしい。『本物』として認めていただけている証拠ですからね。忍者冥利につきます。」
――最後に、今の目標は?
小梅「まだ大きな目標は決まってないんですが、できる仕事の幅を広げていきたいです。レストランでの業務もどんどんできるようになって、マルチな忍者になりたいですね。それから接客をしていると、お客様からご指摘を受けたり、先輩から注意をされたりすることも多いんですが、次の日には必ずそれを直そうと思っています。『日進月歩』っていうんでしたっけ。日々自分を進化させていきたいですね」
――まだまだ修業の日々は続くんですね! 今日はありがとうございました!

エンターテイナーであり、接客のプロでもある忍者。お客様を喜ばせることが大好きな小梅さんは、その高い理想に近づくために奮闘している。
目の前の人の笑顔が見たいという気持ちが、最大のモチベーションになっているようだ。
純粋にその気持ちを持っているなら、あなたも忍びの門を叩いてみるといいだろう。