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突撃!留学生アルバイター Vol.6 劇場スタッフ編

THE INTERVIEWEE

名前:Jeremy Lin(ジェレミー リン)
年齢:22歳
来日歴:3年8か月
来日のきっかけ:日本のサブカルチャーが大好き&家族が日本好き
職歴:劇場での海外のお客様対応スタッフ
最近のトピックス:「オーバーウォッチ」というオンラインゲームが最近のお気に入りです!

サブカルチャー科で勉強!?

日本に来てどのくらいですか?
「もうすぐ4年になります。台湾の高校を卒業した後に来日し、日本の大学に入学しました。私の所属している学部には、他の大学ではあまり見ない日本の文化、特にサブカルチャーという科目があるんですよ。クールジャパンの勉強ができて、とても面白いです!」
ジェレミーさんは、日本語の勉強をどうやってしているんですか?
「大学の日本語クラスです。色んなレベルがあり、最初はひらがなとか簡単な会話から始まって、だんだん上がっていきます。今は、テキストを読んで文法を勉強したり、会話と漢字の勉強をしています。文法と敬語が特に難しいですね。」
なるほど。日本語を本格的に勉強したのは、こっちに来てからなんですね。そもそも日本に来たきっかけは何だったんですか?
「色々あるのですが、第一に家族の影響が大きいです。家族とよく旅行をするのですが、家族がとても日本好きで、大学に入る前にも14回くらい日本に来ていました。他の国には1,2回行ったくらいですが、日本は近いし、北から南までだいたい行っていますね。」
14回も!特に好きな場所はありましたか?
「旅行で行った場所だと、飛騨高山が綺麗で好きでした。住むという点では、東京が大好きですね。私の高校は国際学校(インターナショナルスクール)だったので、卒業後、他の生徒はだいたいアメリカやヨーロッパの大学に行ったんですけど、私のライフスタイルとは違っていて。私は普段夜遅くまで起きていて、便利な生活を求めているので、東京の生活が合っているんです。」
大分夜遅くまで起きているんですね!どんなことをして過ごしているんですか?
「パソコンしたり…。あと日本のサブカルチャー(アニメとか漫画とかゲーム)が好きで、それも東京に来た大きな理由のひとつです。日本のアニメは、僕の出身である台湾のテレビでもよく放送しているんですよ。」

劇場では海外のお客様対応を

大学でも日本のサブカルチャーを学んでいると仰っていましたよね。日本では何のバイトをしているんですか?
「アニメが原作のミュージカルが公演される劇場で、海外のお客様対応スタッフをしています。アニメ業界で働いている大学の先輩から紹介してもらい、始めてからもうすぐ1年くらい経ちます。ほぼ毎回海外のお客様がいらっしゃる劇場で、多い時は10~20人くらいいらっしゃることもあります。劇は日本語で行われるので、字幕デバイスの貸し出しなどをしています。劇によっても異なりますが、大体アメリカと中国からのお客様が多いです。」
そんな劇場があるんですね!今のバイト先にいらっしゃるスタッフは、日本人が多いんですか?
「海外対応スタッフは、スペイン人と私を含めた台湾人3人の計4人。それ以外は日本人ですね。上司も日本人なので、日本語で会話します。幸いなことに人間関係はまったく問題ないですし、コミュニケーションも大丈夫なんですが、時々日本語の能力が足りなくて、言いたいことが伝わらないことがあります。そういう時は、考えて他の言い方をします。」
実際に働いてみて、いかがでしたか?
「その劇場で演じられている劇はアニメが原作なので、アニメ業界の一部分だと思っています。自分もその力になれることが嬉しいですし、毎回楽しんで働いています。自分も海外出身なので、アニメ産業や劇も含めて、海外に日本の文化を発信できることが嬉しいです。」
なるほど。ではそのバイトで何か大変なことはありますか?
「字幕デバイスを貸し出しする際に、誤って日本の方に対して『中国の方ですか?』と聞いてしまったことがあるんです。その時は、不快な思いをさせてしまったなと反省しましたね。それ以来、国籍を聞くのではなくて、『字幕デバイスが必要ですか?』と欧米系の方にだけ聞くようにしています。あとは言葉の壁ですね。以前、日本に来て1年も経ってない時にイタリアンレストランでバイトをしていた際は、日本語に苦労しました。キッチン担当だったんですが、食材の名前を覚えるのが本当に大変でした。今はもう大丈夫なのですが、当時はまだ日本語をあまり話せなかったので…。」
そうだったんですね。確かに食材の名前って難しいですよね。今のバイトはどれくらいの頻度で勤務しているんですか?
「週平均2、3回、1回4〜5時間のシフトで入っています。劇は昼と夜の1日2回で、1つの劇は2時間半~3時間くらいなので、お客さんが客席に入ってから、デバイスの掃除やチラシの整理をしています。あとは、劇が終わった後にお客様から質問があれば案内もします。グッズについてとか、チケットについて…あと駅までの行き方や、劇場の周りのことを聞かれたりすることも多いですね。あ!あと、1回空港への行き方を聞かれたこともあります。海外の方がたくさん来るこの劇場ならではですね(笑)」

母国、台湾でウエディングのバイト

ちなみに、台湾でアルバイトをしたことはありますか?
「あります。と言っても高校生の時に1日だけなんですけど(笑)。友達に誘われてウエディングの配膳をしたんですけど、台湾の宴会はお皿がすごく大きくて重いんです。その日は、朝から夜まで2回のウエディングがあって、初日からいきなり11時間働きました。派遣みたいな短期バイトだったんですけど、辛すぎて、もう1度やろうとは思いませんでしたね。(笑)それが私の初めてのアルバイト経験でした。」
初めてのアルバイトなのに大変でしたね!研修とかは無かったんですか?
「なかったですね、いきなり本番でした。台湾では、研修とかはあんまりないんです。高校生だし、最初のアルバイトだし、余計に大変でしたね。台湾では、高校を卒業して大学生になってからアルバイトを始める人が多いんですよ。それでも、ほとんどの大学生がアルバイトをしている日本に比べると、その割合は少ないと思います。半分くらいですかね。」
台湾ではどんなアルバイトが人気なんですか?
「カフェですかね。オシャレなカフェがいっぱいあるので、カフェでバイトするのはかっこいい、オシャレなイメージです。」
日本でもカフェバイトは人気なので、そのあたりは台湾と同じかもしれませんね!ちなみに、来日前は、日本に対してどんな印象を持っていましたか?カルチャーショックなどはありましたか?
「旅行でよく来ていたのでそんなにはなかったですが、いざ住んでみたら面倒な手続きが結構多かったですね。あと、日本の家は狭い!最初に住んでいた家は、シングルベッドだけで部屋の半分が埋まりました。(笑)あと、私はインターンをして大学院に行ってから就職することにしましたが、日本の就職活動は大変そうだなと思います。」
ちなみに台湾の就活はどんな感じなんでしょうか?
「そもそも、台湾には就活というものがありません。大学を卒業した後で、履歴書を持って直接行きたい会社に行って、面接をします。卒業した後、自分のタイミングで就職することができるんですよ。皆本当にバラバラのタイミングなので、人それぞれなんですが、優秀な人だと仕事を探し始めてから大体1、2か月くらいで会社に入れます。能力によって違うので、1年くらいかかる人もいます。その期間に旅行したりする人もいますね。」
結構人によって差があるんですね!では、日本の人と台湾の人で何か違いを感じることはありますか?
「話し方が違うと思います。台湾人は、とても直接的。傷つくことも言ってしまったりします。でも日本人には、本音と建て前がありますよね。台湾にはそれがありません。台湾に帰ると、台湾人はあまり礼儀というものがないなと思います。どんなことでも直接言いたいことを言いますね。 例えば、日本人は『あなたのその服ださい』とか、あまり言わないですよね。でも、台湾人は普通に言うんです。それを言われても、傷つかないし、嫌な思いもあまりしません。台湾で『ださい』と言われても、悪い言葉で返事をすればいいんです。『あなたもださいよ』とか。(笑)そうすると、喧嘩になることもなく、むしろより仲良くなれるんですよ」
なるほど、本音を言い合って仲良くなる…それは確かに日本とは結構違うかもしれませんね!では、日本の本音と建て前に戸惑ったりしたことはありますか?
「ありますよ!日本人はよく『今度ごはん一緒に行こう』と言いますが、『今度』は永遠にないですよね。(笑)台湾人は本当に行く気があるときだけそう言うので、最初は戸惑いました。でも1、2か月くらいで日本人の口癖だと気が付きました。(笑)」
なんだかすみません…。(笑)では、日本と台湾で、働き方、働く姿勢、お金に対する考え方の違いを感じることはありますか?
「日本は丁寧だし、おもてなしの心を感じます。台湾には、おもてなしのようなものはないですね。例えば、今のバイトで『やる気がない』と注意されてしまったことがあったんです。その日はちょっと気分が悪くて、別にやる気がなかったわけではないんですが…。日本では気分がよくなくても、元気な笑顔で働くのが当たり前ですよね。私も気をつけなければいけないなと反省しました。台湾では、表情まで気にしないですね。私は日本で働いているので、もちろん今は笑顔で頑張っていますよ。(笑)あと、日本は確認の流れとか段取りが多いと思います。バイト中に感じたことではないですが、今、学生会(台湾人留学生会)で日本の会社とやりとりをしていて、確認とかメールが大変なんです。学生会の冬の旅行の準備をしているんですが、旅行会社に確認されることが本当に多いですね。不備がないかとか、細かいところまで。台湾だと申し込んで終わりです。(笑)」

「空気を読む」文化は難しい!

外国の方が日本でバイトするのは難しいと思いますか?
「最初は難しいと思います。やっぱり言語の問題と、あとは文化の問題も。例えば、日本では空気を読むのが大事じゃないですか。」
確かにそうですね。空気を読むって外国の方には結構難しいと思うのですが、空気を読む方法を外国の方に教えるとしたらどう教えますか?
「まず、言いたいことがあっても、1回止める。(笑) 1回我慢してから、お互いの気持ちを考えて、言いたいことを直接的じゃなく、変換してから伝えます。」
なるほど。将来は、日本で働きたいと思いますか?
「日本が好きなので、ぜひ働きたいですね!アニメ産業で、グッズのデザインとか計画、企画とかをしてみたいんです。実際、通っている大学のゼミでもそういったことを学んでいます。アニメ、ゲーム、デザインなどを学ぶPOPカルチャーゼミというゼミなんですけど、同人誌のストーリーを一から自分で考えて、実際に描いたりするんです。他にもビデオなんかも作りますし、展示も販売もします。コミックマーケットで売ったりするんです。次のコミケも出ますよ。結構大変なゼミなので、あまり寝られない時期もあったりするのでやめる人もいます。でも、そのゼミには面白い人が多くて、ガンプラ(ガンダムのプラモデル)の組み立てる人や、雑誌を編集して出版する人、先輩にはニコニコ動画の歌い手とか、コスプレイヤーとかメイド喫茶のメイドなどもいます。ゼミには私以外にもう1人、外国人もいるんですよ!」
本当に日本のサブカルチャーがお好きなんですね!ちなみに休日は何をされてるんですか?
「最近は本当に忙しいんです。留学生会のイベントの準備、ゼミの宿題の準備、インターンシップ…。劇がある時はバイトに行って、アニメのアートの展示会に行って…。ゲーム、アニメ、マンガもチェックしなきゃいけないし。(笑)中でも一番の趣味はオンラインゲームで、最近は、『オーバーウォッチ」というアメリカのシューティングゲームが好きです。あとは、写真を撮るのも好きですね。コスプレイヤーの写真を撮ったり、もちろん風景や友達の写真も撮りますよ!」
日本での生活をとても楽しまれているようなのですが、台湾にはよく帰っているんですか?
「年1、2回くらいですね。夏休みと春休みに。全然ホームシックにはなりませんね。(笑)たまに台湾のタピオカミルクと、牛肉麺が食べたくなりますけど。でも日本食も結構好きなので全然大丈夫です。」
では、これから日本でバイトしようと思っている外国の方にアドバイスをお願いします!
「最初は日本語がわからなくても、とりあえずやってみよう!意外となんとかなります。(笑)でもできれば、最初のうちは、忙しいことが多い飲食店よりも、物を売るような売店の方が余裕をもって働けると思うのでおすすめですね。あと、面接の時の『はい!』は、大きい声で言うこと。これは、私も実際にやりました。」
確かに、大事ですね!最後に日本での将来の目標を教えてください。
「繰り返しにはなりますが、日本のアニメ産業を海外に発信していきたいです!」