突撃!留学生アルバイター Vol.8 ホテル店員
名前:アルン・バンダリさん
年齢:21歳
来日歴:7年
来日のきっかけ:お父さんとおじいちゃんが日本でレストランを開いていて、家族で移住したため。
職歴:中華料理レストラン(1年半)、現在はホテル勤務(3年半)
最近のトピックス:仲間たちと渋谷でわいわい過ごす休日は最高!
お父さんの仕事の都合で家族全員が来日!
- 来日歴と出身国を教えてください。
- ネパール出身です。来日歴は2009年の10月に初めて来日したので、もう7年になりますね。当時は15歳でした。
- 来日するきっかけは何だったのでしょうか?
- 元々、お父さんとおじいちゃんが日本でレストランを開いていて、僕が15歳になった時に「日本に来てー!」と声をかけられて…。最初は遊びに行ったつもりだったんですけど、結局そのまま家族全員で日本に移住する形になりました(笑)
- 15歳で初めて来日されて、アルンさんから見た日本はいかがでしたか?
- 初めて来日したのが東京だったこともあり、すべての建物が高いことに一番驚きました。ネパールには高い建物があまりありません。あと、初めて渋谷の街へ出た時、街で女の子に声をかけている男性を見てびっくりしましたね! ネパールでは「ナンパ」という文化がないので。そんなことをしたらネパールの女性に怒られちゃいますからね(笑)
- 来日する前、ネパールでは何をされていましたか?
- 僕は大学生でした。日本だと15歳で大学生はありえないですよね。ネパールだと飛び級制度が設けてあるので、同じ学年の人が同い年とは限らないんですよ。定期的に行われる試験に合格すれば、次の学年にどんどん進めるシステムなんです。
- すごいですね! ネパールの大学で日本語を覚えたのでしょうか?
- 実は日本語は来日するまで、まったく触れたことがなくて…。一応、学校での授業は小学生の時から、すべて英語で話しなさいと教育を受けています。ですので、来日した時に僕が話せたのは母国語であるネパール語と英語のみでした。日本語は、来日してから日本語学校で勉強しましたね。あとは、日本のアニメ『NARUTO』や『ワンピース』を観て勉強していました。アニメの日本語は本当に分かりやすいので、日本語を勉強したい外国の方にオススメです!
- アルンさんが来日されて困ったこと、嬉しかったことを教えてください
-
困ったことは、やはり語学ですね。コミュニケーションが取れないとアルバイトも探せなくなっちゃいますから。あとは食文化にも戸惑いました。ネパールの食事はどの料理にも香辛料が効いていて、辛い料理が多いんです。初めて日本の料理を食べた時、味がないように感じてしまい最初はまったく食べることができませんでした。今では、唐揚げが大好物です(笑)
嬉しかったことは、東京は遊ぶ場所がたくさんあること! 東京にいると遊ぶ場所には困らないので、楽しいです! あと、日本人は優しいことですね。道に迷っていたりすると親切にしてくれるので。
日本で働いてみて感じた言葉の壁
- 日本で初めてアルバイトした時のことを教えてください。
- 17歳の時に叔父が経営する中華料理屋さんでアルバイトをしていました。その頃は、分からない日本語がたくさんあったので、お料理を運ぶだけのリサーブのお仕事をしていましたね。メニューの聞き取りや漢字がすごく難しかったです。それでも、お客さんで来る日本の方はみんな優しかったですね。
- 現在はホテルでアルバイトをしているとのこと、お仕事の内容を教えてください。
- 日本語学校の時の友人がアルバイトをしていたホテルに誘われて始めました。僕は英語ができるので、外国の方に向けた英語での説明や、お客様をご案内するお仕事を主にしています。あとはレストランのリサーブなどもやります。だいたい、週6日、朝9時に出社して18時には終わります。初めてこの仕事に就いた時、自分は先輩から見て覚えなさい、と言われ色々と困ったこともありました。今では、後輩の外国人も増えてきて自分が指導する側になってきたので、後輩には丁寧に教えてあげるように心掛けているんです。職場の人たちとは皆仲良しですよ。
- 頼もしい先輩ですね!アルバイトで大変だったことはありますか?
- やはり、言葉の壁ですね。来日を考えている外国人の方に伝えたいのですが、日本で働くには日本語をきちんと習得していた方が絶対にいいと思います。日本語の語学が足らないせいで、アルバイトの面接に落ちてしまうことも多々あるので…。語学学校に通うことをオススメします。友達もできるし情報交換もできるので、仲間の存在は心強いです!
- 実際に日本で働いてみて、いかがでしょうか?
- 日本人はよく働くなあ…と思いました(笑)。ネパールは自由でラフな国なんですよ。お店を開店していても店主がうたた寝していたり…。基本、朝から晩まできちっと働く、という概念がないんですね。好きな時に働いて、好きな時に休むという感じなんです。だから、朝から晩まできちっと働く日本人を見てすごいなーと思いました。暇になっても「あ、座らないの?」みたいな(笑)
- 今はお一人で暮らしているのでしょうか?
- はい。家族も日本に住んでいるのですが、親元から離れて一人暮らしをしています。以前、彼女と同棲をしていたのですが、現在彼女はフランスへ留学中なので一人暮らしです。看護系の仕事に就くためにフランスへ留学しているので、年に1回くらいしか会えないんです。近況はFacebookなどでお互いにシェアしています。
- アルンさんの休日の過ごし方を教えてください。
- 日本語学校時代の友達と渋谷で遊ぶことが多いですね。ダーツをやったりカラオケに行ったり。友達とわいわい過ごすことが本当に楽しいです。東京は本当に何でもあるので。
あとはお父さんのレストランを手伝ったりもしますよ。お手伝いしに行くとお父さんがご飯を食べさせてくれるし(笑)
毎日笑って楽しく過ごしていきたい
- アルンさんの夢を教えてください。
- 今、明確にこれがしたいとか、こうなりたい! というのがまだないですね。今の生活がとても満足しているからなんだと思います。これから先、見つけていけたらいいなあと思っています。
ただ、ネパールにいても日本にいても、毎日を笑って楽しく過ごしていたいですね(笑)
- 最後にこれから先、アルンさんは日本にいたいと思いますか?
- 日本は楽しくて、人も親切で素晴らしい国です。でも、僕はやっぱりネパールの国が好きなんですよね。あの母国の雰囲気がたまに恋しくなることがあるので…。家族が日本にいても、ネパールの空気に戻りたいなあ、とふと思います。きっと、そう感じるのは母国を離れて来日して、どちらの国の良さも知ることができたからこそ、そう思うのかもしれません。これから先はどうなるか分かりませんが、どちらの国も僕は好きなので、日本とネパールどちらの国も今後大切にしていきたい国だと思っています。